新潟市で高齢者も安心の不動産売却サポートとは？手続きや支援制度も紹介

高齢者が安心して不動産を売却する際の制度と支援

新潟市や新潟県では、高齢者が住まいの売却や生活再建を進める際に活用できる制度がいくつかあります。

まず、新潟市において住居を失うおそれがある方に対して、家賃相当額を支給する「住居確保給付金」があります。支給額は単身世帯で最大月額３万５００円、３～５人世帯で最大４万６２００円です。支給期間は３か月ですが、条件を満たせば最長９か月まで延長可能です。支給は住宅貸主の口座へ直接行われます。申請には収入や預貯金の上限要件があり、求職活動などの要件もあります。

次に、「成年後見制度利用支援事業」による支援です。判断能力が不十分な高齢者が後見制度を利用する場合、申立にかかる手数料や診断書費用、鑑定料などの費用、さらに後見人の報酬について助成を受けられる場合があります。

また、「要保護世帯向け不動産担保型生活資金補助金」という制度もあり、要保護と認定された高齢者世帯が、５００万円以上の不動産を担保に生活資金を借りる仕組みの原資に対し、新潟市が社会福祉協議会へ補助を行う制度です。令和６年４月から令和９年３月まで実施されています。

以上の制度を活用することで、高齢者の売却前後の生活の安定や手続きの負担軽減が図れます。正確な条件や申請方法については、市や社会福祉協議会の担当窓口へご確認ください。

高齢者の事情を踏まえた売却プロセスのポイント

新潟市で高齢者の方が不動産を売却される際には、判断能力の変化や手続きの負担などに配慮した進め方が重要です。まず、成年後見制度の活用が考えられます。判断能力が不十分な方には、家庭裁判所に申立てを行い、成年後見人（法定後見・任意後見のどちらか）を選任してもらうことで、契約などの重要な行為を代行してもらうことができます。費用が気になる場合には、市の成年後見制度利用支援事業により、申立て時の費用や後見人の報酬が助成される場合があります。

次に、売却前に必要な事務的準備としては、相続が関係する場合に特に注意が必要です。相続登記が済んでいないと、売却が進まないケースが多くあります。2024年4月より相続登記は義務化されており、放置すると過料（10万円以下）が課されることもあります。相続人の把握や戸籍謄本・登記事項証明書などの書類準備を整え、法律に則って登記を進めることが必要です。

また、地域に根ざした相談窓口の活用も大切です。たとえば、新潟市成年後見支援センターでは、法制度の説明から申立て手続きの相談、公証・専門家との連携に関する支援があります。予約制で弁護士や司法書士による相談も無料で受けられるため、不安な点は早めに専門家へ相談されると安心です。

安心して売却できるための相談窓口の選び方

高齢のかたがご不安なく不動産の売却を検討される際には、まず相談窓口を選ぶことが重要です。新潟県・新潟市には、公的な窓口や専門家による相談体制が整っており、それらを上手に活用することで手続きの負担を軽減できます。

以下に、高齢者のかたにも分かりやすく整理した相談窓口の種類と、その特徴を示した表をご紹介します。

まず、新潟県宅地建物取引業協会では、高齢者の見守りや居住支援事業と連携し、要配慮者向け相談にも対応されています。また、県内13か所の相談所があるため、通いやすい地域で利用可能です。無料で相談できる点も安心です。

次に、全日本不動産協会 新潟県本部では、毎年10月1日前後に実施される無料相談会があり、不動産売買から税金・相続・登記に関する広範な相談に応じています。平日には予約制で個別相談にも対応していますので、タイミングを見て活用できます。

さらに、相続や成年後見など法律的な手続きの相談には、新潟県司法書士会や新潟県弁護士会、法テラス新潟などが頼りになります。司法書士会では電話や面談による相談を無料で提供しており、弁護士会や法テラスでも予約制で支援が受けられます。

このように、公的・専門的な窓口を賢く組み合わせて選ぶことが、高齢者のかたが安心して不動産を売却するための第一歩です。具体的なご事情やお住まいの地域に合わせて、まずは問い合わせや予約をされるとよいでしょう。

高齢者のライフスタイルに配慮した売却後の選択肢

売却後の住まいについては、高齢の方自身の暮らし方や安心・安全を第一に考えることが大切です。新潟市では、安心して移り住める住居として「終身賃貸」などの制度が活用できます。他にも、持ち家を活かしながら資金計画を工夫する方法があります。

以下は代表的な住み替え方法と資金の活用方法をまとめた表です。

新潟市が実施する「終身賃貸事業」は、高齢者が安心して長く住まえるようにする制度で、契約は高齢者本人のみ一代限り、相続はされず終了します。契約には適切な設備基準や契約書類が求められます。

また、「サービス付き高齢者向け住宅」は、バリアフリー設備や安否確認、生活相談などのサービスを備えた住宅で、高齢の方に安心した住まいを提供します。

さらに、「不動産担保型生活資金貸付制度」は、所有する住まいを担保とした資金貸付制度で、要保護世帯に対し住み続けながら資金を得る仕組みです。新潟県の制度では、貸付は無利子（保証人あり）あるいは低利子（保証人なし）で提供され、新潟市に住む方は区社会福祉協議会で申請できます。加えて、市と県の社会福祉協議会により、要保護世帯向け不動産担保型生活資金貸付制度の運用資金を補助する制度も実施されています。

これらの制度を組み合わせて活用することで、売却後に住まいを失う不安を抱えることなく、安心して次の暮らしへと移行する資金計画が可能になります。制度の詳細や利用条件については、担当窓口にご相談されることをおすすめします。

まとめ

新潟市で不動産売却を検討されている高齢者の方に向けて、公的な支援や制度の活用ポイントをご紹介しました。手続きの負担や将来の生活に不安を感じている方も、制度や相談窓口を上手に利用することで安心して進めることができます。売却後の住まいや資金計画についても、サポート制度を活用しながらご自身に合った方法を選ぶことが大切です。制度の詳細や具体的な流れが分かることで、一歩踏み出しやすくなるはずです。今後も不安や疑問があれば、身近な相談窓口に気軽にご相談ください。