2024-01-30
相続した不動産に根抵当権が付いていた場合、どのように対処すれば良いのかわからない方も多いのではないでしょうか。
事業を引き継ぐケース、抹消したいケースなどそれぞれ手続き方法や流れが異なるため、あらかじめ対応を把握しておくことが大切です。
そこで、根抵当権とはなにか、根抵当権の付いた不動産の相続を急ぐ理由やそのまま相続する方法などについて解説します。
新潟市で根抵当権の付いた物件を相続した方は、ぜひ参考になさってください。
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根抵当権がかけられた不動産を相続した場合は、相続を急ぐ必要があります。
ここでは、まずは根抵当権とはなにか、特徴や抵当権との違いについて解説します。
根抵当権とは、不動産の価値を算出し、その価値の範囲内であれば何度でもお金を借りたり返済したりできる権利のことです。
そのため、あらかじめ一定の限度額を決めておけば、その都度審査をする必要はなく限度額まで繰り返し借り入れすることができます。
この根抵当権は、主に企業が事業資金が必要なときに、所有する不動産を担保に融資を受ける際に利用されています。
住宅ローンを借りる際は、金融機関は不動産に「抵当権」を設定します。
根抵当権と抵当権は言葉が似ているようですが、仕組みや特徴は異なります。
大きな違いは以下の4つです。
抵当権の場合は、返済日や返済額が決まっており、毎月同じ日に一定の金額ずつ返済していきます。
一方で、根抵当権の場合は、返済額や返済日は決まっていません。
前述したように、上限額までなら何度でも借り入れと返済を自由に繰り返すことができます。
また、権利の移譲に関しても大きく異なります。
抵当権の場合は債権者の承諾が不要ですが、根抵当権の場合は債権者の承諾が必要です。
さらに、抵当権は連帯債務者を立てることが可能ですが、根抵当権は一般的には認められていません。
そのほかにも、根抵当権には上限額が決められており、その範囲内であれば自由に借入額を決め何度でも利用することが可能です。
一方で、抵当権は融資を受ける際に借入額が決められ、その後新たな借り入れをすることはできません。
根抵当権が付いた不動産を相続した場合は、通常の不動産を相続するよりも相続の手続きを急ぐ必要があります。
なぜなら、相続開始から6か月を過ぎると、元本が確定したものとみなされるからです。
元本確定とは、根抵当権で担保される債務額を確定させることで、元本確定されると根抵当権としての効果は失われます。
つまり、事業を引き継ぐなど根抵当権をそのまま残したい場合は、元本確定されないように相続を急ぐ必要があります。
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事業を引き継ぐためなど、根抵当権が付いたまま不動産を相続した場合は、相続の流れと方法を把握しておくことが大切です。
通常、根抵当権の相続は以下のような流れでおこないます。
流れに沿ってそれぞれ順にご説明します。
根抵当権を相続すると、被相続人から相続人へ名義変更をする相続登記をおこないます。
その際には、債権者が発行した書類が必要になります。
そのため、まずは債権者である金融機関に連絡を取り、相続開始した旨を伝え書類の発行を依頼しましょう。
相続が発生したら、相続人全員で遺産分割協議をおこない、誰が何を相続するのか話し合いをおこないます。
その際は、根抵当権の付いた不動産を誰が相続するのか確定させます。
なお、会社を営んでおり事業を引き継ぐ場合は、新たな代表者が相続するのが一般的です。
また、所有者と債務者が異なる場合も、これを機にどちらかに統一しておくと手続きがスムーズにおこなえるでしょう。
相続人が決まったら、相続登記をおこないます。
相続登記では、所有権移転登記、根抵当権の債務者変更登記、指定債務者の合意の登記などが必要です。
根抵当権がかかっている不動産の債務者と所有者とが同じ被相続人であった場合は、比較的スムーズに手続きを終えることができるでしょう。
この場合、被相続人から相続人へ名義変更する相続登記と、債務者の名義を変更する指定債務者登記をおこなえば、相続は完了します。
一方で、所有者と債務者が異なる場合は、不動産の名義変更はありませんが、指定債務者登記が必要であり債務者の相続人に根抵当権を引き継ぐ必要があります。
なお、相続登記は相続を開始してから6か月以内に手続きしなければなりません。
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事業を継続する予定がないなど、根抵当権を抹消したい場合もあるでしょう。
根抵当権を抹消する際は、債務が残っているか残っていないかによって対処が異なります。
債務がない場合は、根抵当権を設定している債権者である金融機関と交渉し、同意が得られれば抹消登記することができます。
事業を継続しない場合、根抵当権を設定したままにしておくメリットは少なく、将来的な手間やトラブルを考えると相続時に抹消登記をおこなっておくのがおすすめです。
また、不動産ではなく現金で相続したい方もなかにはいらっしゃるでしょう。
その場合は、根抵当権の抹消登記をおこなってから不動産を売却します。
一方で、債務がある場合は不動産を売却し、その売却金で完済してから抹消手続きに進むのが一般的です。
しかし売却金で債務を完済できない場合は、元本確定し抵当権として相続する必要があります。
また、債務が多額の場合は相続放棄する方法もあります。
相続放棄とは、被相続人の遺産をすべて放棄することです。
ただし、債務だけでなく現金や預貯金などプラスの財産も放棄することになる点に注意が必要です。
そのため、プラスの財産とマイナスの財産を比較し、マイナス財産のほうが上回っている場合にはメリットとして大きいといえるでしょう。
根抵当権が設定された不動産を所有していることは、事業のために債務も存在している可能性があるため、必ず借金などのマイナスの財産もすべて調査することが大切です。
そのうえで、相続放棄したほうが良いのか、相続したほうが良いのか判断するべきでしょう。
なお、相続放棄をおこなう場合は、相続開始があったことを知った日から3か月以内に、家庭裁判所にて手続きが必要になります。
3か月を過ぎてしまうと、原則として相続放棄は認められないため注意しましょう。
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事業を引き継ぐなどで根抵当権の付いた不動産を相続したい場合は、相続開始から6か月以内の手続きが必要です。
一方で事業を継続する必要がなく抹消したい場合は、債務がどのくらい残っているのか、売却金で完済できるのかによって対処方法が変わってきます。
また、債務が多額の場合は、相続放棄を検討するのも1つの方法といえるでしょう。
ただし、相続放棄の期限は相続開始から3か月以内のため注意しましょう。
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