新潟市の空き家相談はどこですれば良い？不動産売却や活用の基礎も解説

新潟市の空き家に関する現状とリスク

新潟市内では、空き家が増加傾向にあり、適切に管理されないまま放置されると不動産としての価値低下のみならず、安全面や税制面での課題も生じます。具体的には「空き家対策特別措置法」に基づき、倒壊の恐れや衛生上の問題、景観を著しく損なう場合などには「特定空き家」に認定され、固定資産税や都市計画税の特例が解除される結果、税負担が最大5倍程度まで跳ね上がることがあります。

また、人が住まなくなった住宅は劣化が進みやすく、湿気、カビ、害虫などが発生し、さらに瓦や外装材の落下により近隣の方への被害が出た場合には、所有者が損害賠償の責任を負う可能性もあります。こうした事情から、空き家を放置せず、早めの対処が求められています。

このように、空き家を放置することには税負担、事故、強制措置など多くのリスクがあります。したがって、資産価値の維持や近隣とのトラブル回避の観点から、早期の相談・対処が重要です。

空き家活用や売却を検討する際の基本ステップ

まずは、お手元の空き家の現状をしっかり把握することから始めましょう。建物の築年数や状態、耐震性、水まわりや白アリの被害、リフォームの履歴などについて、建築士や不動産鑑定士による調査を受けることで、検討の基礎となる情報を得られます。これにより、次に進む方策が見えてきます。

次に、売却、賃貸、リフォームをしての活用など、可能な選択肢を整理しましょう。例えば、ご自身で住む、二世帯住宅に改修する、貸す、地域の活動や福祉に活かす、といった多様な活用の方向性があります。それぞれのメリット・費用感・時間軸を比較して、所有者様にとって最適な道を検討していきます｡

そして、ご相談に進む際には、まず窓口へのアクセス方法を確認しましょう。下記の表は、相談先の例になります。

ご相談の際には、対象となる空き家の所在地、築年数、希望する活用方向性などを準備しておくと、相談がスムーズです。専門家の助言を活かして、最適な一歩を踏み出しましょう。

新潟市における公的相談の仕組みと活用法

新潟市では、空き家に関するお悩みをお持ちの方へ向けて、市が主催する「無料相談会」を定期的に開催しております。令和７年度の開催例として、令和７年８月２日（土曜）に「空き家無料相談会」が新潟市役所ふるまち庁舎で実施されました（１件あたり３０分、先着２２組）。この相談会では、売買・賃貸、登記、相続や法律相談など、多岐にわたる分野の専門家が対応しておりますので、ご安心してご相談いただけます。

相談会で対応する専門分野は以下のとおりです。

申し込み方法は、e‑NIIGATA（新潟市オンライン申請システム）を利用するほか、チラシ裏面の相談申込書を郵送またはＦＡＸで提出する方法が選べます。定員や申込期間に制限がありますので、注意が必要です（例：先着順で定員２２名、申込期間は６月１８日から７月１０日まで）。

相談会に参加することのメリットは、まず費用がかからない点です。また、売買や登記、法律に関する専門家が一堂に会するため、一度の相談でさまざまな分野の疑問を解消できます。さらに、空き家活用に関する具体的な道筋や、今後のスケジュール感なども得られるのが強みです。

相談・売却を検討する際に押さえておきたいポイント

まずご相談の際にご用意いただきたいのは、空き家の所在地や築年数、床面積、所有権に関する登記事項証明書などの基本的な情報です。これらは相談担当者に状況を正確にお伝えするために不可欠です。さらに、固定資産税納税通知書や建築確認済証、耐震診断報告書があれば、評価や活用方針の検討がよりスムーズになります。これにより、売却や利活用にかかる時間や費用の目安をより具体的に把握できます。

次に、相談から実際の売却や活用に至るまでの一般的な流れを表にまとめました。各段階でおおよその所要期間や費用の目安を把握いただくことで、心の準備とスケジュール調整がしやすくなります。

相談を契機に、早めに意思決定を進めることも大切です。空き家は状況によっては老朽化が進行するため、早期に売却や活用の方向性を決めることで、将来的な負担を軽減できます。専門家による助言をフルに活用して、無理なく次の一歩を踏み出しましょう。

まとめ

新潟市で空き家をお持ちの方にとって、適切な活用や売却方法を知ることは非常に大切です。空き家を放置してしまうと、税金や周囲への影響など思わぬ負担が生じてしまうこともあります。空き家の現状調査から相談窓口の利用、専門的なアドバイスのもとで冷静に判断することで、安心して手続きを進めることが可能です。相談する際の準備や流れを押さえておくことで、よりスムーズな意思決定に繋がります。まずは気軽にご相談いただくことが、今後の安心と豊かな暮らしに向けた大切な一歩となります。